ジャフコに対して旧村上ファンドは、買い増し?撤退?今後の株価動向を考えてみました
旧村上ファンドとは
旧村上ファンド系として
・シティインデックスイレブンス
・エスグラントコーポレーション
・レノ
・オフィスサポート
・南青山不動産
・エフィッシモ キャピタル マネージメント
・ストラテジックキャピタル
上記7つが知られています。
この7社は連携を取りながら、同じ銘柄を保有している傾向があります。
この中でも、メインでブイブイやっているのが、シティインデックスイレブンス!
ところで、なぜ、こんな名前を付けたのか?由来に興味があります。
「イレブンス」とは、「11人の猛者がいる」ということを意味しているのかもしれませんね(笑)
さて本題ですが、旧村上ファンド系の投資会社による大量保有報告書の提出がここへきて活発化。提出件数は5、6、7月各3件でしたが、8月はすでに9件(8月24日時点)。
8月5日にはベンチャーキャピタル(VC)最大手、ジャフコグループ(8595)の株式を新規に6.54%保有したことが判明し、8月15日に提出した変更報告書では、11.87%の水準までの買い増しが分かりました。
今回、ジャフコ株を買い増ししているのは、「シティインデックスイレブンス」「南青山不動産」「野村絢」
上記比率は、3つ合わせたものです。
野村絢さんとは何者?村上世彰との関係
野村絢さんとは、村上絢さんのことであり、村上世彰氏の娘さんです。
芸能人ばりに美人です! ^_^
慶應義塾大学法学部卒業後、モルガン・スタンレーMUFG証券勤務を経て、現在は村上氏が創設した一般財団法人村上財団の代表理事などを務めました。(2023年5月30日現在の代表理事は、妹の村上玲さんです)
個人的には、村上絢さんに株を買い占められるのであれば、「はい、喜んで!」と庄やの店長バリにテンションが高くなりそうです。毎日、打ち合わせとかしたいですね!ファンクラブあったら、入ります!(笑)
あと、ジャフコへの投資は、「保有している資産に対して時価総額が低い企業」(村上世彰氏の著書『生涯投資家』から)という意味では、従来の村上氏の方針と一致している。異なる点は、対象が事業会社ではなく、同じく投資をなりわいにしている企業という点です。つまりPBR1倍未満ということですね。
ちなみに『生涯投資家』に興味がある方は、以下の漫画がとてもお勧め!
投資の勉強にもなります。
シティインデックスイレブンスはジャフコに対し、500億円規模の自社株買いを要請するとともに、今後、保有比率を51%まで高める可能性を示しました。
これに対し、ジャフコは大量買い付け行為への対抗措置として新株予約権の無償割り当てなどを検討する方針を発表し、対決姿勢を鮮明にしています。
—————————–
以下は、ジャフコのIRより。→
株式会社シティインデックスイレブンスらによる当社株式を対象とする大規模 買付行為等が行われる具体的な懸念があることに基づく当社の会社支配に関す る基本方針及び当社株式の大規模買付行為等に関する対応方針の導入に関する お知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8595/tdnet/2174167/00.pdf
当社は、2022 年 5 月頃以降、村上世彰氏(以下「村上氏」といいます。)の影響下にある野村絢氏(村上氏の実子)、株式会社南青山不動産及び株式会社シティインデックスイ レブンス(以下「シティインデックスイレブンス」といい、株式会社南青山不動産及び野 村絢氏と併せて以下「シティら」と総称します。)によって、当社の普通株式(以下「当 社株式」といいます。)を市場において急速かつ大量に買い集められており(以下「本株 式買集め」といいます。)、2022 年 8 月 9 日にシティインデックスイレブンスが提出した 当社株式に係る大量保有報告書によれば、シティらは、2022 年 8 月 2 日時点において、株券等保有割合(金融商品取引法第 27 条の 23 第 4 項に規定する株券等保有割合をいいます。 以下同じです。)にして 6.54%に相当する当社株式 4,793,600 株を保有している旨が確認されておりますが、後記のとおり、村上氏らによれば、シティらは、2022 年 8 月 5 日時点に おいて、当社株式を 15%弱保有するに至っているとのことです。 ※ → 一文が長いっ!書いている人、大丈夫!?・・・(汗)
当社は、要請に基づいて、2022 年 8 月 4 日に野村絢氏及びシティインデックスイレブンスの代表取締役である福島啓修氏(以下「福島氏」といいます。)と、同月 5 日に村上氏、野村絢氏及び福島氏と、それぞれ面談し、同月 5 日の面談において、村上氏らから、シティらが当社株式を 15%弱取得したことについて知らされるとともに、当社株式を今後も買い増し(以下「本株式買増し」といいます。)、当社株式の 51%を取得する可能性が あることを示唆されると共に、当社保有に係る株式会社野村総合研究所の株式を流動化等 した上で、当社の株式時価総額の約 3 分の 1、連結株主資本の 40%にも相当する約 500 億 円もの自社株買いを行うべき旨を要請されました。
しかし、シティらが本株式買集めを開始したのは直近の 2022 年5 月であり、かつ、当社が本株式買集めの事実を知ったのも 8 月 5 日に至ってからであって、本株式買集め及び本株式買増しについて、当社との間で何ら の実質的な協議も行われておらず、その諸条件について当社にほとんど情報共有がなされておらず、また、本株式買集め及び本株式買増しの諸条件や、本株式買増し後の当社の経 営方針等について、何ら実質的な説明を受けておりません。
このように、現在シティらにより実施されている本株式買集めの目的や内容に関する情報が不足しているなかで、別紙 1 に記載のようなシティらに強い影響力を有している村上 – 2 – 氏、及び村上氏の影響下にあるファンド等(以下「村上氏ファンド等」といいます。)の 過去の投資活動に関する裁判所の認定(例えば、2019 年 5 月 20 日付け横浜地方裁判所決定 (資料版商事法務 424 号 126 頁)において、村上氏及び同氏の影響下にあるファンドが、 2012 年から 2019 年にかけて、複数の上場会社に対し、大量の株式を買い付け、当該上場 会社の経営者に様々な圧力を掛けた上、当該上場会社又はその関係会社に対し、買い付けた株式の全部又はその大半を高値で購入させ、転売益を得たことが裁判所により認定され ています。)等に鑑みると、本株式買集めの目的ないしその結果が、当社の企業価値ない し株主の皆様共同の利益の最大化を妨げるようなものであるおそれは否定できないものと認識しております。
かかる認識の下、当社取締役会は、本株式買増しにより、シティらの議決権割合を 20% 以上とすることを目的とする当社株式の買付行為(即ち、大規模買付行為等(下記 III2(2) で定義されます。以下同じです。))が行われる具体的な懸念があると合理的に判断でき ることを受け、また、シティらによる当社株式を対象とする大規模買付行為等が行われる 具体的な懸念がある状況下において他の当事者による大規模買付行為等が企図されるに至 る場合も想定し、これらの大規模買付行為等が当社の企業価値やその価値の源泉に対して どのような影響を及ぼし得るかについて、株主の皆様が適切なご判断を下すための情報と 時間を確保するとともに、当社取締役会が大規模買付行為等又は当社の経営方針等に関し て大規模買付者(下記 III2(2)で定義されます。以下同じです。)と交渉又は協議を行なう ことができるよう、かかる大規模買付行為等については、当社取締役会の定める一定の手 続に基づいてなされることが、当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益の最大化に資 するとの結論に至りました。 ※ → これも一文が長いっ!(汗)
その結果、当社取締役会は、本日開催の当社取締役会において、当社の企業価値ひいて は株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的として、当社の財務及び事業 の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第 118 条第 3 号) を決定し、さらに、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の 決定が支配されることを防止するための取組み(会社法施行規則第 118 条第 3 号ロ(2))と して、①具体的な懸念のあるシティらによる当社株式を対象とする大規模買付行為等及び ②シティらによる当社株式を対象とする大規模買付行為等が行われる具体的な懸念がある 状況下において企図されるに至ることがあり得る他の大規模買付行為等への対応方針(以 下「本対応方針」といいます。)を導入することを決議いたしましたので、以下のとお り、お知らせします。
本対応方針は、既に具体化している本株式買集めを含む大規模買付行為が行われる具体的な懸念への対応を主たる目的として導入されるもの であり、平時に導入されるいわゆる事前警告型買収防衛策とは異なるものとなります。
(以下、省略)
—————————–
という感じでかなり長いので、全部は載せませんが、興味ある人はIRを読んでください。
p26以降には、「シティインデックスイレブンス、村上氏及び村上氏の影響下にあるファンド等が行った過去の投資事例について」ということで、大学の卒業論文で、村上ファンドを研究したい人に最適な事例が、いっぱい載っています。ちょっとバイアスが偏っている感じはしますが・・・(笑)
ということで話を戻すと、ジャフコの経営陣は、防衛したいわけです。
そんな矢先、シティインデックスイレブンスは、ジャフコ株の保有比率を10.75%に減らしたことが25日提出の変更報告書(報告義務発生は18日)で分かりました。
株主還元強化への思惑が後退したため、株価も下落しました。
今は25日MAあたりまで下落しましたね。
さて、ここからが本題です。
旧村上ファンドは、もうこれで撤退なのか?
それとも今回の保有株減少は、フェイクでふるい落としなのか?
有名な「かぶ1000」さんは、株価を落とさせて再び買いますのではないか?との見解でした。
そのあたりについて、過去データを使用して、旧村上ファンドは「ふるい落としとかするのか?」を検証してみました(笑)
シティインデックスイレブンスの過去データ検証
今回、シティインデックスイレブンスだけで検証しています。
(全部はさすがにムリです・・・)
あとデータは過去約3年分です。
以下の表は、持ち株が減少した時に、備考欄に「減少」と記載してあります。
赤字の「減少」は、いったん、保有株を減少させてから、再び増やしたケースです。
これがいわゆる「ふるい落とし」というか、安値で仕込むために、株価を落ち着かせたケースになります。
銘柄毎にまとめて、日付の古い順→新しい順へ時系列でソートしています。
※見やすいように銘柄毎にセルの色を変えましたが、色には深い意味はありません。
ということで、見て分かったと思いますが、「中国塗料」と「ホシデン」以外では、保有株の減少=撤退という状況でした。
旧村上ファンドは、「買う時は、ガンガン一気に行く傾向が強い」と感じがしました。
ですので、ふるい落としという小細工を使うケースが少ないので、過去の傾向から考えると、今回のジャフコはちょっと微妙感ありますよね。
とりあえず、ふるい落としのあった、「中国塗料」と「ホシデン」のケースを見てみましょう。
中国塗料のケース
底付近で仕込んで、高いところで少し売るというパターンですね。
現状しっかりと含み益(笑)
中国塗料については、2018年2月7日からオフィスサポート、野村絢さんが株を買っており、当時、中国塗料の役員の方に旧村上ファンドが株を買い占めていることについてインタビューしたことがあります。
その役員の方は、シンガポールで野村絢さんと面談して好印象だったと言っていました。野村絢さん、意外とおじさんキラーかも!笑
あと、特に慌てている感じでもなかったですね。
ホシデンのケース
中国塗料と同じで、ちゃんと安いところで仕込んで、急上昇したら一旦少し売って冷ましています。
やっぱり現状しっかりと含み益(笑)
ここで注目して欲しいのは、中国塗料、ホシデン、
2つ共に冷却期間として約5か月間とっていることです。
今回のジャフコのケースでも、引き続き保有株減少の動きがなければ、そのまま5か月くらい走ることになり、人々が忘れた頃に、またニュースになるという可能性がありますね。
おそらくその間に、他の旧村上ファンドを使用して、大量報告を出さない範囲でコツコツと仕込む可能性が大いにあると思います。
一方で、1か月以内くらいにまた保有株を減らしてくるようであれば、撤退する可能性もあるので、その点は要注意です!
いずれにしても、当面、株価については落ち着いてくる動きになってくると思います。
旧村上ファンドは、PBR1倍(2660円)未満で安く株を買いたいわけですから・・・。
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